皆様、こんにちは。
本日、ご紹介するのは
トリ貝(トリガイ)です。
寿司の高級ネタとして知られています。
二枚貝の一種で、貝殻の大きさは5センチを超える程度です。
表面には放射線状に模様が伸びており、指で触れてみると短い毛が苔のように全体を覆っていることが分かります。
身は足(斧)の部分が紫がかった黒色をしており、外見的特徴になっています。
※足はお歯黒(おはぐろ)と呼ばれることもあります。
トリ貝の名前の由来については幾つかの説があります。
よく言われるのは、足の部分が鳥のクチバシのような形と色をしているから。
食べると鳥肉のような味と食感がすることから。
足の形と色が武士のかぶる烏帽子(えぼし)に似ていることから。
トリ貝は殻つきの活けた状態で市場に入ってくることは多くありません。
大抵の場合は、貝殻から可食部分を取り出して湯通しされた状態で入荷します。
↑トリ貝の開き。湯通しした後に足の部分を切り開いたもの。
寿司ネタに使われるのはこの状態が多いです。
↑湯通しした後に足を切り開いていないもの。
市場では通称「トンボ」と呼ばれます。
トリ貝の産地は北海道を除いた全国の内湾地域です。
太平洋側では愛知県(三河湾)、日本海側では京都府(舞鶴湾)が有名です。
舞鶴ではトリ貝の養殖が行われており、大きく育ったトリ貝は「丹後とり貝」としてブランド化されています。
天然のトリ貝は年によって水揚げ量が大きく異なります。
前年は不漁であったものが、次の年には大量発生が起こって豊漁ということがしばしば起こります。
そうした経緯から天然のトリ貝は安定供給が難しいため、上記のように養殖化が進められています。
トリ貝の旬の時期は春から夏です。
味の違いではなく漁獲量の増える時期を示しており、太平洋側では春、日本海側では夏にあたります。
漁期にまとまって水揚げされたものが、冷凍保存されて通年出回っています。
※トリ貝は冷凍保存しても味がほとんど変わりません。
湯通しされたトリ貝には、適度な噛みごたえと甘みがあります。
貝類独特の臭みもないため、貝が苦手な人にもオススメです。
酢味噌などと合わせると贅沢な酒の肴になります。
美味しいトリ貝を、是非ご賞味ください。