皆様、こんにちは。
本日、ご紹介するのは
しらす干し(ちりめん)です。
しらす干しとは主にイワシの稚魚を釜茹でにした後に乾燥させたものを言います。
地方やサイズ、製法の違いなどによって様々な呼び方がありますので以下、順々に解説していきます。
◎関東・関西での名前の違い
関東と関西でしらす干しの呼び方がおおまかに以下のように違います。
・関東 「しらす干し」
しらすは漢字では「白子」と書き、イワシの稚魚が白色半透明の姿をしていることから来ている。
または、時代劇などに登場する「お白洲の場(おしらすのば)」の白い砂利に由来する。
・関西 「ちりめん」
京都(丹後)・北陸(越後)などの織物「縮麺(ちりめん)」に由来しており、釜茹でしたイワシ稚魚を平らに広げて天日干しにしている光景を縮緬に例えて。
ただし、静岡県では明確な名前の呼び分けはないようです。
◎サイズの違い
稚魚のサイズによって呼び方が変わります。
・上干(チカ) → 稚魚の中でも小さめサイズ 2センチ程度までのもの
・かちり →中くらいのサイズ 2センチ前後のもの
・かえり →大きめサイズ 3センチ前後のもの
スーパーマーケットなどに並んでいるものは、2センチ前後のサイズが多いです。
このサイズは小骨が気にならず、食感も良いので人気があります。
◎加工製法での違い
しらすを大きな釜でサッと湯通しするところまでは共通ですが、その先の干し方で呼び名が変わります。
()は主に関西での呼び方。
・釜揚げしらす(釜揚げちりめん)
釜茹でにしたしらすを水を切っただけで乾燥させていないもの。瑞々しく柔らかな食感。
・しらす干し(太白ちりめん)
釜茹でにしたしらすを軽く乾燥させたもの。柔らかで食べやすいのが特徴。
・ちりめんじゃこ(上乾ちりめん)
釜茹でにしたしらすをしっかりと乾燥させたもの。噛みごたえがあり堅め。
※イカナゴの稚魚のみを使って釜茹でにしたものは小女子(こうなご)と呼ばれます。
以上のように様々な呼び方はありますが、
これら全てを総称してしらす干し(ちりめん)と呼ばれます。
タイトル画像は舞阪産のしらす干しですが、別産地のものも紹介します。
↑福田産のしらす干し。舞阪産よりも少しだけ色が濃い。
↑愛知県産のしらす干し。全体的に褐色がかかっている。
見た目には差があるようには見えませんが、実際に食べてみると味はかなり違います。
まず産地ごとのしらすの特徴があり、更に加工業者の茹で方や塩の加減にも差があるからです。
数ある産地やメーカーの中から、自分好みのしらす干しを探してみるのも楽しみ方のひとつです。
しらす干しの旬の時期は春と秋です。
しらす干しは一年を通して出回りますが、冬には禁漁期があり春の3月中旬の頃から解禁となります。
春に獲られたものは新物として製造され、身の柔らかさが特徴です。
また、秋のしらすは脂が多くて味がしっかりとしています。
美味しいしらす干しを、是非ご賞味ください。